歴史
開基である鈴木九郎の観音様との縁については「中野長者伝説」として今も語り継がれています。
鈴木九郎は、元は紀州出身で今から約600年前の室町時代に当地にやってきた貧しい馬売りでした。ある日、馬市に行く途中、浅草の観音様に「儲けたお金の中に”大観通宝(中国の昔のお金)”が入っていたら全て観音様に差し上げますので、馬が高価で売れますように。」と願かけをしたところ、馬市では馬は思わぬ高値で売れたそうです。しかし手に入れたお金は全部観音様に差し上げなきゃならない”大観通宝”。
その日の食べるものにも困っていた鈴木九郎は非常に悩みつつも約束を守り手にしたお金をすべて観音様に差し上げたそうです。
その後この信心深い行いが報われたのか、運に恵まれた鈴木九郎は財を成し、
「中野長者」といわれる大富豪となったそうです。
大富豪になった鈴木九郎は成願寺付近に邸宅を構えていましが、
一人娘の小笹が18歳の若さで病死したことに深い悲しみを受け、残りの人生を仏門に生きる決意をして小田原の大雄山最乗寺の春屋宗能の教えを受けた後、名を正蓮に改め僧侶となり、1438年に邸宅を寺院にしたのが成願寺の始まりでした。
寺院名は娘の戒名から当初は”正観寺”でしたが、江戸時代に”成願寺”と改められたそうです。
境内写真
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