知ってますか?お正月の意味。
■お正月と初詣
お正月は、自宅で年神(としがみ)様をお迎えするのが基本」なのだそうです。年神様とは、豊作の神様であり、ご先祖様のことです。「普段は山にいて、皆さんの健康や農作物の実りを見守っていますが、1年の変わり目に山から下りてきます。お正月は、その神様を迎え、新しい魂(たましい)、力を分けてもらう節目です。
一方、初詣では、ふだん暮らしている地域の守り神、氏神(うじがみ)様へ新年のあいさつに行くこと。商売繁盛(はんじょう)、合格祈願(きがん)、縁結びなど、それぞれ得意分野を持つ有名な神社が各地にありますが、「まずは地元の神様へ。」これが、初詣。お寺でも同様です。初詣は、古くからある日本の風習のように思われていますが、実は、昭和の時代になって広まった風習です。
神社への初詣のお参りの作法にも決まりがあります。鳥居(とりい)のところで軽くおじぎしたら、(決して鳥居の真ん中を通らないこと。真ん中は、神様のお通りになるところです。)手水(ちょうず)で手と口を清めます。鈴を振ってお賽銭を奉納した後、2度お辞儀して2度拍手、最後にもう一度お辞儀をする「二拝二拍手一拝」が基本です。混雑していて手水を素通りする人を見かけますが、一番大切なので忘れずに。
お寺への初詣の作法は、一礼の後、軽く会釈し、お賽銭を入れます。合掌し、祈願の後、軽く一礼します。※拍手をしてはいけません。
- 日本最古の神社「大神神社(三輪明神)」20101.1撮影
■七草と鏡開き
7日は「七草(ななくさ)がゆ」。セリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)の7種の野草を朝、おかゆにして食べます。
「七草の種類は、時代や地域によっても違う」と言われています。昔の中国の暦には、季節の変わり目に健康や安全を願って行事を行う「節句(せっく)」のほか、1月15日にヒエ、アワなどの穀類を7種集めておかゆにして食べる風習が記載されています。古来日本では、健康や豊作を願う日本独自の風習があり、日本と中国の二つの風習が結びついてできたのが、七草がゆと考えられています。七草がゆは、江戸時代に、重要な行事を行う日として江戸幕府が「五節句」を定めたことにより、1月7日の「人日(じんじつ)」の節句に七草がゆを食べる風習が広まりました。七草がゆは家族の健康や幸せを祈る行事でもあります。行事に込められてきた願いを感じながら、家族で七草がゆを食べましょう。
11日、お供えした鏡(かがみ)餅を下げて、汁粉などを作って食べるのが「鏡開き」。元々は1月20日に行われていた行事で、食べるときは刃物を使わず手や木づちで割ります。餅を「切る」と言わずに、縁起よく「開く」と言います。飾り方はさまざまですが、お供えした鏡餅を食べることは、神様と一体感を得る意味があると考えられています。
■お年玉とマナー
お年玉も神様と関係があります。お年玉は、お正月に年神様から授かった力を、家族の中で年上の人から年下の人に分ける意味があります。目上から目下に分ける物なので、自分より年上の人や、身分が上の人にあげるものを「お年玉」と呼ぶのは失礼になります。そのような場合には、「お年玉」ではなく「お年賀」と呼びます。
お年玉は元々お餅だったといいます。絵本や干支に因んだ虎の置物など、お金以外の品を贈ってもいいそうです。お年玉を貰った子供たちはお返しをする必要はありませんが、いただいたら必ずお礼を言いましょう。
法相宗大本山 興福寺 東金堂と五重塔 20101.1撮影
【PR】